うちの子、すぐ手が出て他の子をケガさせてしまってホント困っちゃう…どうすればいいのかしら?
本やネットで紹介されている改善方法を色々試したけど、全然他害行動がなくならない…
こんな悩みをお持ちの方に、たった2か月でひどかった他害行動が消えたウチの子の事例を紹介します。
こんにちは。顔デカ母ちゃんです。
私の長男「デコ坊」はADHD(注意欠陥多動性障害)傾向が強めな発達障害グレーゾーンで、2歳から療育を受けています。
デコ坊も3歳まで他害行動がひどく、保育園でトラブルばかり起こしていました。
ですが年少に進級して2か月で他害行動がパッタリなくなり、再発もしていません。
他の問題行動はまだまだありますけどね(苦笑)
でも他の子に迷惑をかけなくなるだけで、親子とも精神的負担が激減しました!
「他害行動は言葉の発達に伴って消える」とは言われていますが、2か月という短期間で他害行動が消えたのは、言葉の発達以外の理由が大きいと感じています。
他害行動が消えた理由を療育センターの先生と一緒に分析した結果、理由は3つ考えられるとの結論に至りました。
今回はこの3つの理由をご紹介したいと思います。
全く改善しない問題行動
当時のデコ坊にとって、目に映る子供は全て敵。
ケンカやおもちゃの取り合いの際はもちろん、自分に全く害のない、遠くにいる子のところまでわざわざ近づいて攻撃することも日常茶飯事で、対応にとても困りました。
保育園でもトラブルばかりで、ついに保育園からは退園勧告を受けることに…
当時のようすはこちらの記事をご覧ください。
何とか他害行動をやめさせようと、療育センターの先生にアドバイスを求めたり、本やネットで調べたことを色々実践したりしましたが、ほとんど効果なし。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)やペアレントトレーニングを学んで、「気持ちを言葉にしてあげる」「手を出さなかったらほめる」「その場で注意する」「感情的に怒らない」などなど、家庭でできることは片っ端からやってみましたが改善の兆しなしでした…
そんな状況のまま退園の日を迎え、新しい保育園に入園して数日後、新型コロナウイルスの影響で保育園が急遽2か月間の休園に!
この休園期間が、デコ坊に劇的な変化をもたらすこととなりました。
他害行動が消えた理由3つ
療育センターの先生と一緒に分析した結果、他害行動が消えた理由は次の3つだという結論に至りました。
- 環境が変わった(転園・休園)
- 心が満たされた(休園で長期間ママと一緒)
- 代替行為が身についた
1つずつ説明していきます。
①環境が変わった(転園・休園)
転園後、「このクラスの奴らは手を出しても大丈夫か」と様子をうかがっている途中で2か月の休園となり、全く手を出すことがない期間が長かったことで、
- 「手を出す」という意思表示の方法が選択肢から外れた
- 「手を出す」以外の方法でもちゃんと意思がと伝わることを学んだ
この2つの変化があったのではないかと分析しました。
デコ坊は、自分が勝てると思う相手にしか手を出さないので、相手の力量はよく観察しています。
転園前は、物心がつく前から一緒のお友達に囲まれ、「手を出しても受け入れてもらえる」と判断していたようです。
それに、たとえトラブルになったとしても、信頼している(むしろ依存している)先生が、いつも間に入って何とかしてくれるという安心感もあったと思います。
ところが転園後、信頼できる大人もいない、クラスの子が勝てる相手なのかもわからないという状況では、さすがに手が出せない。
そんな状況の中、2か月もの長期間、他の子と接する機会もなくなったため、「手を出す」という方法が、意思表示の選択肢から外れていったのではと思われます。
そして2か月後、集団の場に戻った際に「手を出す」という意思表示の方法に頼らなかったことで、「言葉でも自分の意思が伝わる」という成功体験を得ることができたようです。
これは、転園前の保育園のような「手を出すことが習慣化している環境」では、いくら言葉が発達しても体験することが難しい、もしくはかなり時間がかかることだったと思います。
環境の変化は、他害行動をやめさせるのに最も効果的だったと実感しています。
②心が満たされた(休園で長期間ママと一緒)
休園期間中、ずっとママと一緒に過ごしたことで、心が満たされたようで、明らかに顔つきも穏やかになり、落ち着いて過ごせるようになりました。
保育園が再開しても大きく荒れることはありませんでした。
なんてったって、24時間×2か月(61日)=1,464時間もの間、ひと時も離れずに一緒にいましたからね(苦笑)
0歳で保育園に入園して以降、ほぼフルタイム同然で働いていたため、デコ坊はママと一緒に過ごす時間が少なく、いつも寂しさや不安を感じていたようです。
下の子が産まれたタイミングで2か月間の休園となったため、私のストレスも最高潮…それはそれはヒドイ環境ではありましたが、それでもママと一緒にいる時間は意味があったようです。
休園で精神的に落ち着いたという事実から、
「他害行動がひどかったは、もしかして私が仕事をしていたことが原因なの…?」
と、当時かなり自己嫌悪に陥りました。
でも今振りかえると、重要だったのは時間の長さではなく、本人にちゃんと向き合う時間だったんだと思います。
平時は時間に追われ、頭の片隅にはどうしても仕事の懸案事項が常にちらついてしまいます。
子供と触れ合いの時間をつくっても、どこか上の空だったのかもしれません。見抜かれてました…
もっと普段から、子どもとの時間は子どものことだけに集中しなければいけなかったと猛反省…
現在も仕事は続けていますが、子どもとの接し方を変えた効果もあり(そう信じたい)、落ち着いて過ごすことができています。
③代替行為が身についた
「嫌なことがあって、お友達を叩きそうになったら先生(大人)に相談するんだよ」ということを、自作の絵カードで何度も伝えたことも、他害行動が消えた要因の一つだと思われます。
お友達がもっているおもちゃが欲しくなったとき、
- 「かして」って言ってみる
- 手を出すのは×
- 先生に相談するのは○
こんなストーリーを6枚の絵カードにして、登園前にクイズ形式で伝えていました。
視覚優位で、ルーティーンも大好きなので、飽きもせず毎日楽しんでクイズに答えるデコ坊。
そのうち、本人からも「今日はこんなことがあって、先生に相談したよ」と報告してくれるように。
転園前から毎日続けて約1年。やっと効果がでました!
継続って大事ですね。
この「先生(大人)に相談する」という代替行為がデコ坊に受け入れられたのも、①の環境の変化によって、「手を出す」という手段が意思表示の選択肢から外れたことが、大きく影響したと感じています。
さいごに
他害行動は他の子に危害を加えてしまうので、精神的にかなり辛いですよね…
デコ坊はまだまだたくさんの生きづらさを抱えていますが、他害行動がなくなったことで、非難される回数も格段に減ったので、だいぶ楽になったように見受けられます。
親のストレスもかなり解消しました!
「環境を変える」って親子共にいろんなリスクもあるので、判断するのはかなり難しいと思います。
ウチは半ば強制的な環境変化だったので、何とかできただけです。
この記事を読んでくださっている方も、きっとたくさん悩まれると思います。
少しでも私たちの体験談が皆さまの参考になれば幸いです。
また、転園をご検討されている方は、転園先で加配を付けてもらうために必要な事前準備もご紹介していますので、こちらの記事もご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!