発達障害だと保育園を退園させられちゃうの?
こんな悩みをお持ちの方に、発達障害が原因で保育園を退園に追い込まれた息子の事例をご紹介します。
こんにちは。顔デカ母ちゃんです。
私の長男「デコ坊」はADHD(注意欠陥多動性障害)傾向が強めな発達障害グレーゾーンで、2歳から療育を受けています。
ウチの場合、遠回しな退園勧告はありましたが、強制ではなかったため全力でスルーしていました(苦笑)
ですが、さまざまなトラブルが積み重なり、親も精神的に耐えられなくなったため、結果的に退園することに…
今回は、保育園を退園に追い込まれた経緯を詳しくお伝えしたいと思います。
退園前の問題行動(他害がひどい!)
デコ坊の当時の問題行動はこんな感じした。
- 攻撃的(他害行為)…おもちゃを力ずくで奪う、ゆく手を阻む友だちに危害を加える など
- 衝動性が強い…誘惑に弱く興味のままに行動し、集団行動ができない
- 正義感が強い…自分の正義に反する行動をみると自ら制裁を加える
- 初めての場所やイベントが苦手…不穏になり少しの刺激で癇癪を起こす
中でも一番頭を悩ませていたのが他害行為。
ケンカ中や、お友達のおもちゃが欲しい時などの攻撃は、百歩譲ってまだ理解できます。
ですが、自分には全く害のない、遠い場所にいる子のところまで近寄っていって攻撃するという謎の行動も多く、目に映る子はすべて敵(攻撃対象)と思っているようでした。
しかも、無言のまま無表情、ノーモーションでいきなり攻撃するため、本人の意図もつかみにくく、攻撃の抑止も一苦労…
何とか他害をやめさせようと、療育先の先生からのアドバイスを保育園の先生に伝えて実践してもらい、その結果をフィードバックするという試行錯誤を続けていましたが、ほとんど効果は見られませんでした。
罪悪感に押しつぶされる日々
保育園に迎えに行くと、毎日必ずトラブルの報告がありました。
被害者側の名前は伏せられていましたが、子供たちもかなり喋れるようになっているので、相手方のママにはデコ坊が犯人だということは多分バレてました。
バレてると思うと、申し訳なさに加えて「あのママ、普通に会話してたけど、ホントは怒ってるんじゃ…」と、どうしても疑心暗鬼になってしまって、精神的に辛かったです…
また、女の子の顔に怪我をさせることも増え、かなり事態は深刻に…
他害行為を何とかやめさせるために、通いの療育の他にもできることはないかと、本やネットで調べて色々実践してはみましたが、ほとんど効果はありませんでした。
おまけにウェブ検索をしていると、ヤフー知恵袋などで、
「発達障害だと偉いのか」
「普通の子が我慢しなきゃいけないなんて不公平だ」
「保育園やめろ」
というような、被害者側の怒りの声ばかりが目について余計に凹んでしまい、罪悪感に押しつぶされる日々でした。
退園のきっかけとなった事件勃発
ある日、デコ坊はクラスで一番人気がある男の子に手を出し、怪我をさせてしまいました。
この出来事がデコ坊を窮地に追い込むことになるんです…
とにかくモテモテだった被害者の男の子には、ファンクラブ的な組織が結成されていて、常に数人の女の子が取り巻いていたそうです。
そんな状況の中、モテ男くんを攻撃したものだから、クラスの女の子ほぼ全員を的にまわすことに…
「デコ坊くんがやったーーー!!」
「先生、デコ坊くんのせいですーーー!!」
事件以降、何かトラブルが発生するたびに女の子たちが騒ぎ出し、その度に何度もデコ坊は吊し上げられることとなりました。
先生も対応に相当苦慮されているとのこと。
急に集中砲火を浴びることになったデコ坊は、どんどんストレスを溜め込み、さらに他害行為が増えるという悪循環に陥りました。
ついに退園を決意
そんな状況の中、ついに先生から遠回しに退園勧告を受けることに。
先生のお話はこんな感じです。
- 女の子たちに吊し上げられる状況はデコ坊くんがかわいそう
- 周りの子たちも成長に伴い状況を理解して攻撃を避けるようになるため、デコ坊くんはますます孤立することが予想される
- 進級すると先生の配置人数が減るため、今より配慮が難しくなる
今の状況が本人にとって良くないことは一目瞭然。
でも、適応能力の低いデコ坊を転園させてることが、かえってストレスになって、他害行為が悪化したらどうしよう…と、何が本人のためになるのかとても悩みました。
更に、転園は新規入園より優先順位が低いので、保育園を落とされて行き場がなくなるかもしれないというリスクもありました。
発達障害が原因で、受け入れ先が見つからない可能性だってあります。
ただ、療育センターの先生から「デコ坊くんは新しい環境に入ると、まず様子をつかがうタイプだから、しばらくは他害が落ち着くと思う」とアドバイスをもらったり、転園で症状が落ち着いたという療育ママ友の話を聞いたりしたおかげで、何とか転園を前向きに検討できるようになりました。
そして
- 新しい環境での変化に期待
- 吊し上げ等による自己肯定感の更なる低下を防ぐ
- 被害者親子に申し訳なさすぎて精神的に限界(親が)
こんな理由でついに退園を決意。
新たな受け入れ先を探すため、急ピッチで動き始めました。
退園後のようす
幸いにも発達障害に理解がある保育園がみつかって入園することができ、更には加配までつけてもらうことができました。
加配をつけてもらうための事前準備はこちらの記事をご覧ください。
問題行動があった場合も、基本的に本人のやりたいように自由にやらせて、適切なタイミングで誘導するというスタイルで、集団行動を重んじていた前の保育園とは対極の保育方針です。
当の本人はというと、あんなにひどかった他害行為がウソのように消え、大きなトラブルなく、毎日楽しく通うことができています。
こちらの記事では、他害が消えた理由を深掘りしてますのでよろしければご覧ください。
さいごに
結果的にデコ坊は、発達障害が原因で保育園を退園することになりました。
でも前の保育園の先生も、デコ坊のことを本当によくみてくださいました。
療育センターからアドバイスも積極的に保育の場で実践してくださり、頭があがりません。
退園勧告も、本人のためを思ってのことだったと感じています。
ただ本人の特性とあわなかった。ただそれだけ。
待機児童も多い中、本当に本人の特性にあった保育園に入園させるなんて難易度高すぎですよね…
うちはホントにラッキーだったと思います。
この記事が少しでも同じような境遇の方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。