もう何年も療育に通っているけど、問題行動もなくならないし、全然効果を感じないんだけど、本当に療育って意味あるの?
仕事を休んで療育に通うのはすごく負担…効果ないなら辞めたい…
こんな悩みをお持ちの方の参考になればと思い、記事にしました。
こんにちは。顔デカ母ちゃんです。
私の長男「デコ坊」はADHD(注意欠陥多動性障害)傾向が強めな発達障害グレーゾーンで、2歳から療育を受けています。
療育センターに通い始めて1年以上たった頃、私も同じことを悩んでずっとモヤモヤしていました…
そこで思い切って療育センターの先生に聞いてみることに。
その時の先生の回答がとても納得できる内容だったので、私は療育へ通い続ける決心をし、結果的に外(社会生活上)での問題行動は格段に減りました。
この記事では、私が療育の効果を信じて続けてみようと思えた先生の回答内容をご紹介したいと思います。
できれば療育を受ける前にこの説明を聞きたかった…
これから療育を始めようかと考えている方にもぜひ読んでいただきたいです!
そもそも「療育」ってどういうこと?
療育(発達支援)とは、障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。
引用元:LITALICO(りたりこ)発達ナビ
あくまで本人の特性にあわせてできることを増やしたり、隠れていた力を引き出したりする支援のことで、発達障害を治すわけではないとのことです。
発達障害の効果を疑ってしまう時、ついつい忘れてしまいがちな視点ですよね…
また、集団療育や個別指導、母子同伴や母子離など療育施設によってさまざまな形態があります。
今回はデコ坊の通っていたような、一般的な療育センターで行われる「集団療育」の意味についてまとめました。
先生!療育って意味あるんですか!?
先生!療育(集団療育)ってホントに意味あるんですか!?
本人の困りごとが、集団療育で解決できるものであれば意味がありますね。
そうでないなら、別の方法を考えた方がいいかもしれません。
ん…?どういうこと?
詳しく説明していきます。
集団療育でしか得られない学びがある
子どもたちは、集団生活や療育で下の表のようなスキルを育んでいるようです。
生活習慣・ マナー | 遊びの バリエーション | 社会性 | コミュニケーションの成功体験 | |
集団生活 (大グループ) 保育園・幼稚園 等 | ◎ | ◎ | △ | 〇 |
集団療育 (小グループ) 療育センター 等 | △ | 〇 | ◎ | ◎ |
個別指導 | × | × | × | ◎ |
①社会性と②コミュニケーションの成功体験は、主に集団療育で学んでいくスキルとなります。
①社会性の学び方
社会性とは、集団の中でうまくやっていける能力、具体的には「やりたくなくてもやる、我慢することができる」能力ですよね。
集団療育の場では、次の3ステップで社会性のスキルを習得しているそうです。
STEP1.「集団は楽しい」ことを体験する
本人たちにはいつもどおり過ごしてもらい、適宜大人が介入することでトラブルを未然に防ぎます。
そうすることで、「みんなで遊ぶと何だか楽しい!」という体験を重ねることができます。
その結果、「仲間はずれにならないようにしよう」という気持ちが芽生え、まわりに合わせて我慢することができるようになってきます。
STEP2.ルールのある遊びを取り入れる
子どもはみんな勝ちたがるもの。でも勝つためにルールを曲げてしまっては、仲間はずれになってしまいます。
負ける悔しさを乗り越えて勝った喜びが、ルールを守る意味を体感させてくれます。
STEP3.ルールのある遊びを通して相手の気持ちを考える(高度)
例えばカードゲームの中で、「このカードを出したら相手は困るかな」など、相手の考えに思いを巡らせる練習をします。
この3ステップで、ルールのある遊びをトラブルなく楽しめるようになれば、かなり社会性を身につけられるようです。
「今療育でやってるのはこのステップなんだ」ということがわかれば、ただ遊んでいるように見えても、意味があることが理解できるので、少し安心できますよね。
②コミュニケーションの成功体験
コミュニケーションの成功体験とは、「伝わった」と実感できることです。
大人だって、勇気をだして外国人に英語で話しかけて全く通じなかったら、二度と話しかけないですよね(苦笑)
子ども同士だと尚更伝わりにくいし、伝わっても理不尽におもちゃを取られてしまうことなんてザラです。
大人が相手なら、本人の意図を汲んで会話ができるので、成功体験を重ねることができます。
保育園などの集団生活の場は、大人の数が少ないので、なかなか成功体験に結びつかないようです。
当時デコ坊は弟がまだ小さかったので、おもちゃの取り合いになれば、弟に譲らされていました。
その上、保育園でも理不尽に奪われることが多く、相当ストレスが溜まっていたようで、かなり荒れていました。
療育センターでは、もし理不尽におもちゃを奪われても、必ず先生が取り戻して「かして」「どうぞ」の儀式を経てからおもちゃを相手に渡します。
そして先生からは「イヤならイヤって言っていいんだよ。」と言われているので、本人も安心して遊べます。
だからデコ坊は療育センターに行きたがるのだと、先生を話を聞いて納得しました。
療育の先生は貴重な相談相手
毎日療育に通える方はとても稀で、皆さんも多くて週数回の頻度かと思います。
となると、やっぱり療育は家庭や保育園でもやっていかないと、なかなか身につかないですよね。
療育センター以外の場で療育を実践するために、療育の先生に現状を報告してアドバイスをもらい、それをまた実践するという繰り返しが必要になってくるかと思います。
デコ坊は他害がホントに酷かったので、保育園の先生も巻き込んで療育先との連携を密にしていました。
9割は相談目的で療育センターに通っていたようなものです。
療育センター通いを辞めようか検討している方は、この相談の機会を失うことになるということも考慮した上で判断された方が良いかと思います。
療育先の選択肢がない方は…
「ウチの子には集団療育は合ってないかも…」と思っても定員の空きがなかったり、そもそも療育機関が少なくて選択肢がないという方も多いと思います。
うちも田舎なので、民間の療育機関は全くなく、市の療育センター(集団療育)一択でした。
療育開始当初、集団療育と個別指導の説明すらありませんでした…
そんな方は、完全に療育をやめてしまうのではなく、現在の集団療育を続けた方が良いのでは、と先生からのアドバイスもありました。
やはり身近な相談者として療育先との関わりを維持した方が、本人はもちろん、保護者の方も安心かと思います。
また集団療育の中でも、先生との個別の関わりの時間も保育園よりは多いですし、個別指導と関連するカリキュラムが少なからずあると思われるので、全く無意味ではないと思います。
療育先の先生や、担当の専門員の方に、よくご相談してみてください。
まとめ(集団療育の意味)
集団療育に意味があるのか迷ったら
- 社会性
- コミュニケーションの成功体験
この2つを育てていきたいなら、集団療育を続ける意味があると思われます。
もし今の療育を辞める、もしくは変更しようと考えている場合には、療育先は頼れる相談者でもあるということも踏まえて、慎重に判断されることをおすすめします。
この記事はこんな内容でした。
少しでも皆様の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。