うちの子、問題行動が多くて困っているんだけど、保育園に入園しても大丈夫かしら…?
来年から入園だけど、加配の先生ってどうやったら付けてもらえるのかしら?
こんな悩みをお持ちの方に、適応能力低めな発達障害グレーゾーンの我が子が、スムーズに入園(転園)するために行った事前準備6つをご紹介します。
結果的に加配の先生をつけていただくことができました!
- 事前準備(保育園選び〜入園)と時期の目安
- 加配を付けてもらうための方法
こんにちは。顔デカ母ちゃんです。
私の3歳の長男「デコ坊」はADHD(注意欠陥多動性障害)傾向が強めな発達障害グレーゾーンで、2歳から療育を受けています。
- 攻撃的…おもちゃを力づくで奪う、ゆく手を阻む友だちに危害を加える
- 衝動性が強い…誘惑に弱く興味のままに行動し、集団行動できない
- 正義感が強い…自分の正義に反する行動をみると自ら制裁を加える
- はじめての場所やイベントが苦手…不穏になり少しの刺激で癇癪を起こす
発達障害の子にとって、入園や転園などで環境が大きく変わることは精神的にとても負担で、パニックや癇癪、登園拒否へとつながる可能性が大きいですよね…
デコ坊は年少にあがる年(当時3歳)に、2年間通っていた保育園から転園しました。
当時、他害行為など問題行動がたくさんあり、うまく環境に適応できるかとても心配していましたが、今のところ何とか楽しく通えています。
考えられる要因は色々ありますが、やはり加配の先生をつけてもらえたのが大きかったと思います。
加配制度とは?
「加配制度」とは、他児と同じように保育園の生活を送ることが難しい子に大人がつき、生活面や集団参加をサポートしてくれる制度のことです。
引用元:LITALICO(りたりこ)発達ナビ
デコ坊に加配の先生をつけてもらえた要因は、入園前にデコ坊の特性を伝え、対処のためには人手が必要だということを理解してもらえたからだと思います。(主に他害行為)
入学前のコミニュケーションを密にすることが超大切です!
では具体的な事前準備の方法をご紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください!
【加配が付いた】入園・転園のための事前準備6つ
1.情報収集
時期:入園前年の夏ごろまで随時
発達障害児へ対する園側の対応や、各園での体験談など、ホームページやパンフレットだけではわからないリアルな情報を集めました。
情報収集先
- 自治体
- 療育施設(療育を開始している場合)
- ママ友・先輩ママ
①自治体
市の担当課や発達相談窓口などで、市内保育園の発達障害児受け入れ状況や、加配・補助がつく条件などを確認しました。
結局は「各保育園に問い合わせてください」との回答で、あまり収穫なしでした…
②療育施設(療育を開始している場合)
療育施設の先生は、近隣の保育園に通う発達障害児をたくさん担当されています。
またそれぞれの園とも繋がりもあるので、いわば歩く保育園データベース!
入園候補先の保育園について、発達障害児への接し方や雰囲気がデコ坊の特性と合うかなど、色々とアドバイスしてもらえました。
③ママ友・先輩ママ
実際に聞きたいのは現場のナマの声。
候補先の保育園を利用しているママ友や、療育施設で知り合った先輩ママたちに、お子さんたちが通う各保育園の対応などを教えてもらいました。
「発達障害に理解があって、細かいフォローをしてくれる園よりも、放任主義の園に転園した方が実は問題行動が減ったんだよー」など、全然知らなかった有益な情報もたくさんゲット。
集団行動が苦手なデコ坊にとって、どの程度厳しく集団行動を指導するのかということも重要だったので、ママ友たちに聞いてまわりました。
当時在籍していた園は、きめ細やかな保育で評判の園でしたが、1歳から集団行動を厳しく指導する方針だったため、デコ坊の特性にはなじまず、結局退園に追い込まれたので切実な問題でした…
2.入園候補先の見学
時期:申込前まで(できるだけ早く ※繁忙期以外)
年度の切り替わり時期や行事前などの繁忙期だと、園側の対応が雑になります…苦笑
希望する園が子どもの特性にあっているのか、実際に候補先の保育園を見学して確認しました。
一般的には子ども同伴で見学し、こどもの反応を確認することが多いと思います。でもウチは以下の理由で親だけで見学することにしました。
- 本人が転園のことを知らないため(混乱防止のため告知は直前)
- 本人が「ココに通いたい」と言っても確実に入れるわけではないため
- 園児が遊んでいる様子を見ると「一緒に遊びたい!」と癇癪を起こし見学どころではなくなるため
見学の際は次の5つのポイントを確認。
見学ポイント
- 園児数(各クラス・全体)
- 先生の配置人数
- 延長保育の開始時間
- 延長保育の過ごし方
- 発達のんびりさんへの対応
①園児数(各クラス・全体)
デコ坊は知らない人や、大人数、慣れない環境が苦手なため、園児数については次の2点を重視しました。
- 総園児数が少ないこと
- 1クラス当たりの人数が少ないこと
延長保育時は別のクラスの先生に担当してもらうことになるため、園の先生全員がデコ坊の特性を把握してくれるくらいの小規模の園がいいな…と。
また、人が増えるとトラブルも増えるため、少人数クラスであることも必須要件でした。
②先生の配置人数
1クラス当たりの先生の配置人数の最低基準は決まりがあります。ですが基準ギリギリの配置か、手厚い保育のため基準以上に配置するかは園によって異なります。
デコ坊は攻撃性が強く、ほかの園児に危害を加える可能性があったため、できるだけ配置人数が多い園、もしくは加配や補助の先生をつけてくれる園を探していました。
③延長保育の開始時間
延長保育の際は、通常の部屋から別室に移動して合同保育になる園が多いと思います。
デコ坊は前の保育園で延長保育の利用中、慣れない教室・友だち・先生の中でトラブルばかり起こし、最終的に延長保育NGになった経緯もあり…
延長保育の開始時間が遅く、できるだけいつもの部屋で過ごす時間が長いことが切実な希望でした。
延長保育の時に部屋移動があるかどうかも確認した方が良いかも。
自室での延長保育の時は環境変化も少ないので、デコ坊も落ち着いて過ごせていました。
④延長保育の過ごし方
延長保育は先生の数も減ってしまいフォローが難しくなるため、デコ坊にとって落ち着いて楽しめる環境が整っているかの確認が必要でした。
デコ坊の場合、前の保育園ではおもちゃで自由に遊んで過ごしていましたが、おもちゃの奪い合いへ発展し、トラブルばかり…
転園後はみんなでDVDを観ています。
迎えの時間によっては長時間の視聴になるため、賛否両論ありますよね…
ですがテレビっ子のデコ坊にとって、DVD視聴は楽しみながら長時間じっと座っていられるため、トラブル防止という点では合っていたと思います。
⑤発達のんびりさんへの対応
在園児の中に発達のんびりさんがいるのか、またその子に対してどのように接しているのかなどを確認しました。
保育園側から聞いた内容が、ママ友・先輩ママから事前に入手した情報と一致しているかも要チェックです!
保育園側の本音と建前が違う場合がありますので…
見学した中には、こんな対応をしてくれる保育園もありました。
- 対象児が通う療育施設に担任保育士を派遣し、療育の先生からレクチャーを受けてくれる
- 臨床心理士を保育園に招き、対象児を観察してもらい、アドバイスをもらう
実際、デコ坊の入園した保育園の先生も、療育施設に勉強に来てくれました。
SNSなどで「発達障害のことを保育園に伝えたら入園拒否された」という情報を多く見かけたので、見学の段階で伝えるかどうかはかなり迷いましたが…
結局、伝えました。
もし伝えずに入園できたとしても、後々困るのは自分たちなので…
ただ、見学の段階で保育園に伝えた個人情報は、見学予約の際に必要だった苗字だけだったので、見学で発達障害のことを伝えるかどうかは、入園の可否には影響なさそうでした。(自治体で異なる可能性があります)
それよりも、入園申込書の中に発達に関する困りごと等を詳細に書く書類があったので、そちらで判断されたのではと感じています。
3.自己紹介表の作成(加配対策)
時期:随時(入園先が決まったらすぐ提出できるよう早めにとりかかる)
入園をスムーズに行うために最も重要なことは先生との情報共有だと考え、入園決定後すぐに「自己紹介表」を作成し先生にお渡ししました。
フォーマットは発達障害関連のサイトでもダウンロードできますし、自治体で配布している場合もあるようです。
参考までに私が実際に作成・使用したフォーマットも添付します。
「手描きの方が柔らかい印象となり、新しい先生も受け入れやすいかも」と療育の先生からアドバイスをいただきました。
療育の先生や、先輩ママから教えていただいた記載のポイントは次の4つです。
記載ポイント
- 困りごとと対処法をセットで書く
- 好きなこと・得意なことを必ず書く
- 協力する姿勢を見せる
- 添削してもらう
①困りごとと対処法をセットで書く
例えば「切り替えが苦手→作業開始前と、終了3分前に終了予告していただけると、比較的スムーズに切り替えられます」など、対処方法もお伝えすることで、先生も対応しやすくなるかと思います。
②好きなこと・得意なことを必ず書く
※困りごとと同じくらい、もしくはそれ以上のボリュームで!
例えば癇癪から気持ちの切り替えができない時など、好きな遊びに誘導すると落ち着くことが多いので、好きなこと・得意なことは問題行動の対処法としても必要な情報です。
また、得意なことに対して先生が褒めてくれると、「新しい先生も僕のことを見ててくれるんだ」という信頼感が生まれますよね。
早く新しい先生と良い関係を築いてもらうためにも、たくさん好きなこと、得意なことを伝えました。
③協力する姿勢を見せる
社会性に問題を抱える子は、お友達とのトラブルの現場で即座に注意することで、少しずつ学んでいくそうなので、対応は保育園の先生頼みとなってしまいます。
ただでさえ忙しい先生に、更なる配慮をお願いすることになるので、親も良好な関係を築いておくことが大切です。
療育の先生曰く、家に帰ってきてからトラブルについて注意してもあまり効果がないそうです…
家庭では集団でのトラブル対策ができないため、保育園の先生にお願いするしかないのです!
せめて親側が協力する姿勢をみせるだけでも先生が受ける印象が全く違ってくるそうなので、良好な関係構築のためにも、是非一言、協力コメントを入れることをお勧めします。
(例)行事の時など、協力できることはなんでもおっしゃってください。
④添削してもらう
当時在籍していた保育園の先生と、療育の先生に自己紹介表を添削してもらいました。
トラブル発生時の適切な対処方法は、集団の場と家庭内とでは大きく違ってくるため、親の経験だけではなく、どなたか集団の中での様子を知る方に添削してもらうのがおすすめです。
一時保育や子育て支援センターなどを利用されている方は、そこの先生から集団の視点からの意見を聞いてみる方法もアリかもしれません。
4.保育園との情報共有(加配対策)
時期:入園決定次第早めに
入園前にデコ坊の特性を新しい保育園側に知っていただき、あわよくば加配をつけてもらいたいと考え、園長先生に情報共有の場を設けていただきました。
作成した自己紹介表をもとに、特に他の園児に影響を及ぼしそうな他害行為について、詳しく説明。
この時点ではどの先生が担任になるかわからないため、「自己紹介表のような、一目で特性がわかるものがあると、引き継ぎがしやすいのでありがたいわ~」と、園長先生から言っていただけました。
結果的にベテランの先生が担任になり、加配の先生もつけてもらえました。
デコ坊はこの時点で診断を受けておらず、また加配の申請書の記入を求められなかったため、恐らく保育園独自の判断で加配の先生をつけていただけたのではと思います。
クラス替えの調整や、公立だと保育園間の人事異動もあるので、早めに情報共有したほうがGoodです!
5.子どもへの入園・転園予告
時期:入園2ヶ月前
新しい保育園の入園説明会が入園2ヶ月前に開催され、子供同伴だったため、その直前に予告をしました。
「4月からもっともっと楽しい保育園に行くよ」と伝えたところ、特に疑問も持たず理解してくれ、拍子抜けしました。
6.登園シミュレーション
時期:入園1ヶ月前の休園日
デコ坊は新しい環境が苦手なため、登園拒否予防のため「新しい保育園を見に行ってみよう!」とお散歩がてら登園シミュレーションをすることに。
他の園児がいたり門扉が開いていると、「ボクも遊ぶ!」と癇癪を起こすため、休園日にシミュレーションを重ね、心の準備を進めていきました。
何度もシミュレーションした成果なのか、転園後も登園時のトラブルはほとんどありませんでした。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
入園の事前準備、本当に大変ですよね…
でも、この事前準備のおかげなのか、本人の成長なのかはわかりませんが、デコ坊は転園後、格段に問題行動は減り、登園拒否もほとんどなくなりました。
この体験談が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。